【福島牝馬S】人気馬の取捨・穴馬候補の注目馬

2024

人気馬考察

コスタボニータ(想定1人気 4.2倍)

父はイスラボニータ。現役時代は古馬になってからはマイルを中心に活躍した馬で、サンデー系の中でも序盤からスピードを発揮するマイル質の高い産駒が多い印象。母のレディインもフランスのマイル馬。当馬も親譲りの先行力を活かして、そこそこのポジションからギアを上げて差し切るタイプの一頭。非常に安定感のある戦法。

昨年の頭に3勝クラスを勝ってオープン入りすると、オープンクラスでも常に大崩れしない競馬ができている。重賞も阪神牝馬S、クイーンC、愛知杯3着と今回のメンバーの中でも実績は最上位クラス。能力的に申し分ない。

不安要素

安定した先行力が武器であるものの、最後の決め手にはややかける印象。好走だけなら期待は高いが、勝ち切りまであるかというと少々微妙なところ。一着づけでは配当妙味が薄いなら2列、3列目への固定という選択肢も。

シンリョクカ(想定2人気 4.8倍)

父のサトノダイヤモンドはディープの後継種牡馬で産駒にもキレる末脚を伝える血統。母のレイカーラはキングカメハメハを父に持ち、自身もターコイズSの勝利などがあるマイラー。ただし先行力というよりは末脚のトップスピードの高さを活かすタイプで子にもその性質が出現。

2歳時は阪神JFで低評価を覆す2着。桜花賞でも掲示板に迫る好走。どちらも脚をためてからの抜群の末脚を使ってのもの。古馬になってからは距離を延ばしたこともあってか、それなりの先行ポジションからの競馬となっているが、血統的な背景からも本来は直線での末脚を活かす競馬が良さそう。

前走の中山牝馬Sではコスタボニータなどを下して、今回再戦となるメンバー相手に最先着。実績的には好走に期待できる。

不安要素

オークス以降は連敗続き。前走こそ3着も内枠を活かしたロスのない走りが好走要因だったことは否めず能力的に疑問が残る。距離的にも前走を除けば1800m-2400mのレースで4連続馬券外。1800mの距離はやや長い印象もある。

グランベルナデット(想定3人気 6.0倍)

父は馬力型の産駒を多く出す傾向にあるキズナ。母も A.P Indy 系を母父に持つラブリーベルナデットとマイラーの色が濃い血統。牝馬ながらも 500 kg 超の雄大な馬体を持つ。戦法としても先行して粘りこみを図って好走するタイプ。ただしマイルだとやや位置どりに難がある馬。そのため2000mあたりが最も好走できるレンジになっている。

3歳時は世代トップレベルとの争いになかなか通用しなかった。初の古馬を相手にしたサンタクロースSは超ハイペースで先行馬には厳しいレースで敗因は明確。次走で早々に3勝クラス初富士Sを勝利してオープン入り。このレースでは共同通信杯で3着だったダノンザタイガーにも勝利。今回は初古馬オープンだが期待がかかる。

不安要素

先行して粘りこむ競馬が理想だが先行力に安定感がない。他馬との兼ね合いや枠並びによっては思った以上にポジションは後ろになってしまう可能性がある。そういった場合には割引が必要。また初古馬オープン戦であり能力的な裏付けはない。人気で狙うべき存在かどうか。

キミノナハマリア(想定4人気 7.5倍)

父ハービンジャーにサンデー系の中でもダート色が強いヴィクトワールピサを母父に持つシャドウマリアの配合。さらに母系を辿るとクロフネの系統。3歳の夏は重馬場のHTB賞で3着、ミドルペースかつ稍重だったG2紫苑Sで4着と馬力が問われるレースに強い。

その後の2勝クラス北野特別、衣笠特別の2戦は2着とはいえ勝ち馬に大きく離された。良馬場かつキレが問われるレースが合わなかった。そのあとは重馬場の北大路特別で勝利し3勝目。3勝クラス初戦の飛鳥Sは4着だったが、こちらもスローからの切れ味勝負で度外視可能。

戦法としては先行して粘りこむタイプだがどんな馬場でも走れる馬ではない。ある程度時計のかかる馬場が欲しいところ。

不安要素

適性的にスピードが求められる競馬がとことん苦手。福島コースとはいえパンパンの良馬場であればかなり厳しい。加えて3勝クラスからの格上挑戦であり、能力的に足りるかどうかはかなり疑問。人気するのであれば少々疑いの目をもってみたい。

ウインピクシス(想定5人気 9.1倍)

父ゴールドシップで兄弟には東京2400mゆりかもめ賞を制したウインマクシマムなどがいる血統。母のコスモアクセスはサンデー系との組み合わせで豊富なスタミナをもった産駒が多くでる。先行してスタミナを活かした走りができるかどうかが鍵となる一頭。

3歳夏から4歳にかけて3勝含む4連続馬券圏内で順調にオープン入り。昨年のG3クイーンSで重賞2着、福島記念でも牡馬に混じって4着とまずまずの成績。近走のターコイズSはしんがり負けも、マイルが合わなかったのが敗因。前走の愛知杯はやや不可解な負け方だが…重賞実績だけで言えば能力最上位とも取れる。

不安要素

1800mだとスピードだけで勝負が決まるマイル質のレースになってしまう可能性もあり、スタミナを活かしたいこの馬にとって不利な展開になることも考えられる。また近走は少々好調時と比較して能力落ち感が否めない。

穴馬候補の注目馬

フィールシンパシー(想定6人気 13.0倍)

父はダンジグ系のベーカバド。母にはダンスインザダークを父に持つスマートシンパシー。母、父ともにスプリント色の強い血統構成でスピードは抜群。高い先行力を持ちつつも末脚のキレもあるタイプの馬。

4番手から上がり33.4を繰り出して紅葉Sを勝利しオープン入り。古馬混合のオープン初戦、ターコイズSでは逃げて2着。その後はニューイヤーSで9着だがここはさすがに相手が強すぎた。前走の中山牝馬Sは稍重で上がりのかかる馬場はこの馬に合わなかった。それでも4着という成績なら及第点。タフな競馬になれば厳しいが、スピードを活かせる馬場を先行できるなら十分に勝負になる。

タガノパッション(想定8人気 14.8倍)

母系にロベルト系のアドマイヤシルク。母母のキャッチザゴールドは牝馬ながらも2000-2500mの芝で3勝。欧州の血統が色濃く出たスタミナ豊富な血統背景。本馬もマイルはやや忙しい印象で、1800m以上が好走レンジ。

3勝クラスで15戦して未だ勝ち上がれてはいないものの常に末脚は使えており惜しい勝負が続く。位置取りが後方、かつキレる脚がないタイプなので基本的には展開待ち。チャンスを活かしきれていないのが原因だろう。しかし格上挑戦となった愛知杯では前崩れの展開も活かして2着の好走。展開次第では強敵撃破の可能性もある。

トーセンローリエ(想定11人気 43.3倍)

父はサトノクラウン。母にサドラーズウェルズ系を父に持つトーセンナチュラル。欧州型が色濃いスタミナ重視の血統背景だが、本馬は前進気勢が強いからか距離適性的には他の血統構成が近しい馬と比較してやや短い。サトノクラウンのミスプロの血が良く出たタイプか。

近3走の桜花賞、クイーンS、京成杯オータムハンデで結果こそ出ていないが、この時の相手はかなり強かったことと、先行力を活かしたい本馬にとっていずれも外枠が不利に働いたことが敗因。今回は相手関係も落ち着く。4走前のアネモネSでは中山牝馬Sを制したコンクシェルを下しており、実績的にもこのメンバー内で見劣りするものではない。7カ月半の休養明けである点は注意が必要も、これで人気を落とすようなら狙ってみるのも面白い。

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