本命候補
ブラウンラチェット
アルテミスSの勝ち馬。11頭立てのレースで、スタートそこそこ出て先行集団の先頭付近をイン確保。道中スローペースの展開で脚を溜め、上がり33.3sの末脚で差し切り勝ち。とりわけ平坦部分での切れ味は抜群で、スピード勝負では高いパフォーマンスを発揮する。
今回のアルテミスSは重賞実績がない馬で多くが構成されていたため、少々勝負付けするには材料に乏しいが、G3戦で2着以下に0.2s差の着差をつけて圧勝した内容は素直に評価できる。末脚が求められる京都コースも合いそうで、良馬場かつスピードが求めらるレースであれば馬券圏内は手堅くとってきそうな一頭。
テリオスララ
京都1800mのリステッド競争である萩Sの勝ち馬。スタートよく楽にハナを奪うと、淡々としたペースを刻んでスローペース。後続を引きつける形で直線に入ると早々に抜け出して、その後も大きくリードを広げて勝利。
萩Sは6頭立てと寂しい頭数ではあったものの、新潟2歳Sで4着の成績があったマジカルフェアリーなどが参戦。ここを2着のディアナザールに対して0.3s差、マジカルフェアリーを含む3着以下には1.1sもの差をつけて圧勝した点は非常に高く評価できる。
逃げて高いパフォーマンスを発揮してきた一頭なので、揉まれる競馬になった時にどこまで通用するかはやってみなければわからず、3戦1800mを使ってここが初マイルと不安要素も多い。ただこの馬の力が出し切れる競馬ができるのなら、実力的には勝ち負け争いに加わってくる可能性が高い。
アルマヴェローチェ
前走は8月に開催されたG3札幌2歳S。ゲートの出が悪く、ダッシュも今ひとつで後方からの競馬になった。遅れを取り戻すために4コーナーではインを選択して一気に前との差を詰めるとあっという間に先頭。最後は勝ち馬のマジックサンズに僅かに差し切られたが最後まで良く粘っていた。
当日の札幌のレースは直線で各馬が外を回しており、全く内が伸びない馬場であったにも関わらず、一頭内で立ち回ってなお2着。単純に荒馬場に対するパフォーマンスが高いだけという可能性もあるが、ディスアドバンテージを覆しての好走には高い評価を与えたほうがいい。
札幌2歳S組は3着だったファイアンクランツが東スポ杯で4着しており、この馬に0.2s差をつけたマジックサンズ、アルマヴェローチェの2頭は相当に力を持っている可能性が高い。当然今回の阪神JF出走のメンバーに入れば勝ち馬候補の一頭となれる力がある。もし重馬場など渋った馬場での開催となれば、尚の事この馬の信頼度は上昇する。
相手候補
コートアリシアン
前走の新潟2歳Sではゲートの出が悪く出遅れ気味だったが、二の脚の速さで巻き返して中団。直線は大外一気の差しに回って一時は先頭も、最後甘くなって差し返される形でトータルクラリティに敗れて2着。
とはいえ3着以下に0.5sもの差をつけての2着。決して相手が弱かっただけではなく、この時下したのは、のちに重賞で勝利・好走を果たす馬もいる、そこそこ骨っぽいメンバー。当然力的には今回の阪神JF出走メンバーの中では上位のものがある。
とはいえ今回多頭数となることで前走以上に先行力に対する課題が露呈しそうで、さらに最後の直線での甘さがあるこの馬が勝ち切るところまでは想像しづらい。展開向いた時に相手まで、の一頭か。
ショウナンザナドゥ
前走のアルテミスSで3着。ダッシュがやや鈍く、ずるずると遅れてやや後方を追走。直線外を回して追い込んだが届かずの3着。ここで1着だったブラウンラチェットには0.2sの差をつけられてしまったが、スローペースで前有利の展開だったことを考えれば、力的にはそれほどの差があるようには思えない。
とはいえフルゲートが予想される今回は前走以上に位置取りに不安が残る。より後ろから脚を使う展開になった時に、前で競馬する強い馬相手に差し切れるまでのイメージはあまり湧かない。能力的に馬券圏内にくる力は十分にありそうだが、相手までの一頭という感じがする。
ミストレス
前走はアルテミスS。ダッシュの早さはダントツで、あっという間にハナを奪い切ると後続に2,3馬身のリードを取って逃げる。中盤はスローに落として絶妙なペースを刻むと、直線早めに仕掛けた上で粘り込みを図る。最後はブラウンラチェットには0.2s差し切られたもの、3着以下の馬相手には最後まで粘りきっての2着。
前走は強い馬相手にG3を2着と実績は十分だが、流石に展開による恩恵があったことは否めない。力的には本命・相手候補に挙げた他馬には劣っていると考えたほうが自然。勝ち切るというシーンはあまり想像できない。
とはいえ早いダッシュ力を武器にできる馬で、今回もハナを叩ける可能性は十分に高い。ここでも自分のペースに持ち込めるのであれば、馬券圏内に来れるだけの力はある。
ランフォーヴァウ
前走デイリー杯2歳Sの勝ち馬。中団に控えて、4コーナータイトに内回って直線は馬群の先頭付近から差し。早めに先頭に抜け出して最後はリード保ち切って0.1s差で勝利。器用さがあり、派手さはないが堅実な勝ち方ができるタイプ。
今回のデイリー杯のメンバーは多くが新馬・未勝利勝ちの一勝馬で、重賞の出走歴すらない馬がほとんどだった。なのでこのレースの結果でもってこの馬が強いと言い切れる根拠はない。ただ、逆にいうとどの馬も底を見せていないという見方もできる。
デイリー杯のメンバーレベルが疑われて人気が落ちるようなら、馬券に抑えておいてもいい。
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