全頭診断(◎: 本命候補, △: 相手候補)
アドマイヤビルゴ 評価: △
3走前のポートアイランドSはゆったりとしたレース展開を先行して3着。2走前のカシオペアSでは逃げて勝利。こちらもスローペースに落とし込む競馬。この時2着に下したのは後に金鯱賞圧勝、香港でもG12着のプログノーシス。これくらい走ればこのメンバーでも通用する可能性はあり。
一方でタフな流れになり先行馬が総崩れした洛陽Sや、重馬場まで悪化した前走の谷川岳Sでは思った以上の大敗。馬場や展開の恩恵が受けられない場合は消しとなる。
アナゴサン 評価: △
これまで中距離をメインに使われてなかなか結果が出せない馬だったが、3走前にマイルに切り替えて早々に3勝クラスを勝利。この時は逃げてスローペースに落としてからの瞬発力勝負を粘りこんだ。
その後は馬場が渋って上がりのかかる谷川岳Sでは3着だが勝ち馬には0.4sも離される競馬。前走の米子Sはハイペースのタフ戦で0.7s差の5着。こういった競馬ではパフォーマンスを発揮できない。
綺麗な馬場かつスローペースでの前残り決着の場合にのみ相手に抑えるくらいでいい。
ウイングレイテスト 評価: △
昨年末にオープン入りしてディセンバーSを3着。年明け早々にニューイヤーS勝利でオープンでも初勝利。ただその後は重賞挑戦するも馬券圏内には入れず善戦止まり。やはり重賞で勝ち負けまではまだちょっと遠い。
とはいえキレ勝負になったダービー卿CTではジャスティンカフェなど重賞級の相手にも大きく負けておらず、前走の米子Sでは前半超ハイペースの全く異なるレース展開で先行して4着に残す競馬。先行する競馬が叶えば、よほど前が崩れる競馬でない限り好走の可能性は高い。
カイザーミノル 評価: △
昨年の米子Sでの2着以降馬券圏内はないが、3走前の京都金杯では内をうまく立ち回った馬が上位を独占する中、一頭だけ外を回して0.3s差の5着。レース内容的には着順以上に評価できる。
このレースはほとんど息の入らない展開で超タフな持久戦。そういったレースならこの馬の実力は発揮できる。馬場/展開ともにタフで前も崩れるような競馬になった時に限ってだが、相手に押さえておいても良い。
サブライムアンセム 評価: △
2走前には稍重で開催された阪神牝馬Sで2着。4走前のターコイズSでは7着とはいえ勝ち馬から0.2s差にまとめてきた。どちらも直線で詰まりながらも抜け出してくる競馬で、着順以上に強い内容であった。
先に挙げた2走はどちらもマイルにしては緩急の少ないレースで、どちらかといえばワンペースの競馬が向く。加えてできれば前めの立ち回りができた方がいいタイプ。しかしスタートに失敗することも多々あり後方からの競馬になることも。
ただ後方からとなってもそれなりに脚は使えており、ヴィクトリアマイルでは強敵相手に0.8s差。どんなレースでもそれなりに走れる能力の高いタイプ。頭まで狙えるかというと微妙だが、相手には常に抑えておいた方がいい。
シュリ 評価: ◎
4走前の関谷記念で2着に好走した馬。この時はウルトラCともいえるまさかの逃げの戦略をとって、スローの前残り瞬発力勝負に持ち込むことができた。
しかもこの時の勝ち馬のウインカーネリアンはその後に東京新聞杯制覇、安田記念でもそれほど大きく負けてはいない馬。この馬を物差しにすれば今回の中京記念の他出走メンバーと比較して上位に位置する一頭と考えることも可能。
関谷記念の時もジワっとハナに立つような形での逃げで、決して生粋の逃げ馬ではない。とはいえ今回の中京記念には絶対的な逃げ馬がおらず、シュリが内枠確保するようなことがあればこの時の再現が叶う可能性も。
今回はウインカーネリアンほど強力な先行馬はいない。全てがハマれば勝ち馬候補の一頭。
セルバーグ 評価: 消
今年の初めに2勝クラス、3勝クラスと連勝で勝ち上がってきた馬。どちらもスローペースのレースを、2番手もしくは先頭での競馬。こういったレースであればこの馬なりに走れるだろう。
ただ、オープン入りした後は見せ場のないレースが続いている。オープン競争のペースだと追走すら厳しく得意の先行する競馬すらできていない。ここは流石に厳しいか。
ダノンスコーピオン 評価: ◎
昨年のNHKマイルCを勝利しその後に富士Sでも勝ち馬から0.1s差3着。この時の勝ち馬はG1マイラーのセリフォスで、ここに差のない競馬だったことを考えれば中京記念の他出走馬と比べて能力的には一枚抜けていると考えられる。
ただ好走したレースにおいて挙げられる共通点がハイペースの持久戦であること。逆にスローの瞬発力勝負となったマイルCS、京王杯SCでは案外の走りをしていることからも対応できるレンジが狭く弱点も多い。
なので頭で狙える条件はタフな持久戦でそれなりに差しも届くようなレースだけ。ハンデもトップの59kg。馬場/展開面が向かないようなら相手候補の一頭くらいまで評価を落とせる。
ディヴィーナ 評価: ◎
前走ヴィクトリアマイルではソングライン、ソダシ、スターズオンアースらG1馬相手に0.2s差の4着。この時くらい走れば今回のメンバーの中で最上位クラスと考えても差し支えない。
ただし、ヴィクトリアマイルまでオープンクラスのレースを5戦して全く走れていなかった馬。やはり弱点は多い馬だと考えられる。
なぜこれまで走らなかったのかを考察すると、究極の上がり勝負専用機だからと考えられる。ヴィクトリアマイルでは残り1000m過ぎの地点がかなり緩んだことと、早い馬場のおかげで勝ち馬の上がりは33.2s、ディヴィーナも上がり最速33.1sで突っ込んきて4着する超瞬発力戦。
これまで敗れてきたレースは渋った馬場や、ワンペースの持久戦になったことでキレというよりは体力が求められるようなレースだった。また位置どりも悪いタイプで前残りの競馬では全く届かないことも。
この馬は差しが効いて、高速馬場かつスローの瞬発力勝負であれば頭で狙ってもいいが、それ以外なら馬券圏外に飛ぶ可能性も全然ある。この馬をどう扱うかは当日までじっくり検討した方がいい。
ベジャール 評価: 消
前走の東京ダート1600m薫風Sを勝利してオープン入りを果たした馬。ただその前走の湘南Sでは芝マイルで0.1s差の3着の走りができており決して芝でもやれないことはない。とはいえ3勝クラスのメンバー相手で抜きん出たような部分もなかった。いきなりの重賞挑戦で通用する可能性は低い。
ホウオウアマゾン 評価: ◎
2走前の阪急杯では3着。先着を許した馬は素質の高いアグリや、後に京王杯SCを3着するダディーズビビットなど決して弱くはない。また昨年は稍重 & ハイペース持久戦のマイラーズCでも2着しているように、短距離質の高いワンペース持久戦になるとめっぽう強い。
マイラーズCの時にわずか0.1s差まで粘り込んだ相手はソウルラッシュ。ソウルラッシュは後に富士Sで先に挙げたダノンスコーピオンに先着している。タフな持続力勝負で前が残るようなら本命候補まで引き上げていい。
ただ3、4コーナで息が入って末脚の性能を求められたマイルCSでは15着の大敗。こういったレース展開に巻き込まれてしまうと途端に馬券圏外の可能性も。
ミッキーブリランテ 評価: △
5走前の阪急杯では内々の決着となったレースを常に外を回すロスの多い競馬で8着。同様に外を回してタイム差なしだったグレイイングリーンが米子S3着と結果が出ているように、ここは着順以上に評価ができる。
近走ではそこまで見どころのあるレースができてはいないものの、マイルらしい緩急のある流れや、1400mでも末脚の決め手勝負になるレースが続いており、これが合っていないだけのように思える。ワンペースの持久力勝負になって、後方からでも届くようなレースであれば相手までならこれる。
メイショウシンタケ 評価: ◎
前走の米子Sの勝ち馬。オープン勝ちの馬もひしめく好メンバー集まった一戦で2着以下を0.2sも突き放す圧勝の内容。このレースくらい走れば重賞でも十分に通用する。勝ち負け候補の一頭。
ただ米子Sでも人気薄となった理由でもあるが、3勝クラスの勝ち上がりに5戦も要した馬。やはり弱点はそれなりにある馬である。
まず一つが道悪の適性が全くないこと。緩い馬場だと全く走らない。重馬場の六甲S、稍重で開催された武庫川Sでは大きく着順を落としていた。
また、マイルで連敗したのち3勝クラスを突破したレースは阪神1400mの戎橋S。マイルらしい緩急があって末脚の性能も求められるレースは苦手。勝利した米子Sも前半3F33.7sの超タフな持続戦だった。
馬場、展開的にドンピシャであれば頭で狙える一頭だが、それ以外の条件では途端に馬券圏外の可能性が高くなる。
ルージュスティリア 評価: △
3走前の中京1600mで3勝クラスを突破。後続を0.4sも突き放す強い競馬。
その後は阪神牝馬S、ヴィクトリアマイルと重賞挑戦。結果は出ていないがG1馬も多数出走したヴィクトリアマイルは10着とはいえ勝ち馬から0.7s差。それほど大きくは負けていない。
先行力がありどんなレースでもそれなりに走れるタイプ。大崩れはあまり考えにくい。とはいえ現状見せている能力では勝ち負けまで戦える可能性は低い。前が残るレースで相手までの評価で良さそう。
ワールドウインズ 評価: 消
5走前に東京1800mのメイSで3着に走った点は評価できるが、その後は3戦マイルのオープン特別を使って特に見どころなし。追走能力、末脚性能の面どちらもマイルには対応できていない感。やはり距離は1800mはあった方がいい。
ヴァリアメンテ 評価: △
4走前の阪神1600m3勝クラスのストークSで、上がり32s台という脅威の豪脚で勝利した馬。こういった末脚の瞬発力勝負に持ち込めれば自分の持ち味を発揮可能。一方で上がりが掛かった米子Sや小倉日経OPでは苦しいレースとなっていた。
位置取りは常に後方で前残りの競馬になればどうしようもないが、差しが決まってかつ瞬発力が問われるレースなら相手として馬券に抑えてもいい。
まとめ
G1での好走実績がある馬も多数おり、メンバーとしてはかなり揃った印象のある今年の中京記念。とはいえ特に人気サイドに上げられそうな馬の中に好走できるレンジが狭い、弱点の多い馬が多数出走しています。
本命を打つ馬は馬場状態や、有利不利となる脚質を予想しながら当日までじっくりと考えた方がいいと思います。
また、その相手になる馬も過去のレースの着順や相手関係だけで決めるのではなく、本命が一緒に連れてきそうな似た適性を持った馬から選ぶのが吉。人気サイド同士の決着で終わるような簡単なレースにはならなさそうです。
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